はじめに
Salesforceサポートのやり取りは、基本的にはケース上のコメントで行います。
そのため、個人取引先の有効化のようなリクエストも、ケースを起票して依頼します。
その一方、実はリクエストに紙(PDF)が必要なパターンもいくつか存在します。
今回はそのパターンについて書いてみます。
注:以下の情報は私が把握している範囲で正しい情報を記載していますが、現在の運用が異なっている場合はごめんなさい。その場合は何かしらの方法で連絡いただけますと幸いです。
システム管理者のメールアドレス変更
これは以下の条件を満たす場合にリクエストします。
- システム管理者アカウントに誰もログインできない
- システム管理者アカウントに設定されているメールアドレスに届くメールを誰も受信できない
- つまりパスワードリセット後のメールを誰も受信できない
申請の詳細はSalesforceヘルプ: Salesforce のシステム管理者を変更することができない に記載されています。
注意事項として、この申請を行う際の承認者欄には最高経営責任者レベルの役員(たとえば、CEO、CIO、CFO、または事業主 )の署名が必要になる、という点です*1。
なので大企業など、最高経営責任者レベルの役員の押印を頂くのが難しいような会社では、複数名システム管理者を設定するなどして依頼をしないような体制を取ることが大事です。
ちなみに、「システム管理者アカウントに誰もログインできないが、メールは受信できる」場合は上記の申請をしなくても、電話でSalesforceサポートに依頼すればパスワードリセットしてもらえます。*2
ログインIPアドレス制限の解除
これは、システム管理者用プロファイルにログインIPアドレス制限を設定しているが、社内のIPアドレスが変更したなどでシステム管理者が誰もログインできなくなった場合にリクエストします。
リクエスト方法はSalesforceサポートに電話で問い合わせた後に、こちらのファイルに必要事項を記載してメール or FAXで送付する形になります。
ちなみにこれも承認者の欄がありますが、この場合は申請者の上長などで大丈夫です。
ちなみに一般ユーザ用のプロファイルに設定したログインIPアドレス制限のため一般ユーザがログインできなくなっているが、システム管理者がログインできる場合は、システム管理者にてログインIPアドレス制限の解除ができるのでこの申請は不要です。
あくまでSalesforceサポートへのリクエストは「ログインできない原因となっている設定の変更が誰もできない」場合のみ可能、ということです。*3
メールアドレス変更時の確認メール送信を停止
Salesforce上でメールアドレスを変更するときは、通常以下の手順になります。
- Salesforceでユーザのメールアドレスを変更する
- 変更前、変更後メールアドレスに確認メールが送信されるので、変更後メールアドレスに届いたメールに記載されたURLにアクセスする
しかし、会社のドメインを変更したなどの理由で全ユーザのメールアドレスの変更が必要になった場合、全ユーザに「Salesforceから届くメールアドレス変更のメールに記載されたURLにアクセスしてください」と伝える必要があり、システム管理者、Salesforceユーザいずれにとっても面倒です。
このような、メールアドレス変更時の確認メール送信を停止してメールアドレス変更を即反映したい場合にこのリクエストを行います。
申請の詳細はSalesforceヘルプ: メールアドレスの変更通知の無効化 に記載されています。
なお、上記ヘルプには「設定変更依頼書」について記載されていませんが、こちらのファイルに必要事項を記載の上、ケースで依頼する流れになります。(ファイルはケースに添付する)
承認者については「ログインIPアドレス制限の解除」同様、申請者の上長などでよいです。
おわりに
上記ケースのうち、「システム管理者のメールアドレス変更」、「ログインIPアドレス制限の解除」が必要なケースではシステム管理者が誰もログインできない状態のため、混乱するかと思います。
そういった場合はSalesforceサポートに電話して、対応策を検討した方がよいでしょう。*4
*1:この申請を行うと申請者がシステム管理者の権限を持つことができるので、Salesforceサポートは通常のリクエストより厳しい制約をつけています
*2:他のシステム管理者がいない、または誰もログインできない状態であることが条件です
*3:反対に一般ユーザはログインできますがシステム管理者がログインIPアドレス制限のためログインできない場合は、一般ユーザはログインIPアドレスの制限を解除できないためSalesforceサポートへの申請ができます。
*4:Basicサポートは緊急度1のみ電話サポート可能と記載されていますが、システム管理者がSalesforceにログインできないなど、ケース起票できない場合は電話を受け付けてもらえます