はじめに
もう半年以上前になりますが、2019年10月に行われましたてきめし #07『Salesforceビアバッシュ with ライトニングトーク』に「コミュニティとSalesforceサポートの使い分け方」という内容で発表してきました。
発表時間は5分のため、発表資料はかなり内容を省いていますが、ブログで補完していきたいと思います。
※この内容はSalesforceサポートにケースが起票できる(有償アカウントを持っている)人を対象としています。
Developer Edition しかもっていない人はSalesforceサポートは使えないため、コミュニティへの質問となります。
Salesforceに関する分からないことがあった場合の質問先
- Salesforceの設定してもうまく動かない
- この機能どう使うのか分からない
- 社内で聞いても分かる人がいない
こういった場合にどこに質問するのが良いでしょうか。
通常、考えられる質問先は「Salesforceサポートに質問用ケースを作る」か「コミュニティに質問する」だと思います。
なお、コミュニティの場合は日本語と英語で分かれており、主だったものは以下になるでしょう。
- 日本語
- Trailbrazer Community の質問広場 グループ がメインになります。
- 英語
- Trailbrazer Community のAnswers
- 日本語でもOKですが、日本語の質問に対する回答はあまり活発でない印象です。
- Salesforce 開発者コミュニティ の Forums
- こちらも日本語でもOKですが、日本語の質問に対する回答はあまり活発でない印象です。
- Salesforce Stack Exchange
- Trailbrazer Community のAnswers
では、それぞれプラス点、マイナス点としてどのようなものがあるでしょうか。
コミュニティへの質問のプラス点、マイナス点
プラス点
- 24時間365日、いつでも回答がつく可能性がある
- Salesforce MVP からコメントがつくこともある
- Salesforce MVPとは、コミュニティに大きく貢献し、Salesforce の製品とエコシステムについて深く理解しているとSFDCから認定された方に贈られるものですが、そのような方からコメントがつくこともあります。
- 他の会社の事例を見ることができる
- 例えば「商談オブジェクトというのはどのように使えばいいのか」「ToDoと行動をどのように使い分ければいいのか」について、「うちの会社ではこのように使っている/使い分けているよ」という活用例を教えてもらえる場合があります。
- Apex、Visualforce、Lightning Component などの開発に関する質問も答えてもらえる。
- Salesforceサポートの場合、開発に関する質問はプレミアサポートが必要ですが、コミュニティの場合はそのような制限はありません。
またTrailbrazer Community の質問広場 グループを見ると、結構開発者から回答がつくことが多い印象を受けます。
- Salesforceサポートの場合、開発に関する質問はプレミアサポートが必要ですが、コミュニティの場合はそのような制限はありません。
マイナス点
- 回答が全くつかない可能性がある
- 一番のマイナス点はこれになるでしょう。数十分で回答がつく質問がある一方で、1週間以上たっても回答がつかない質問も珍しくはありません。
- 印象としては、AppExchangeの特定パッケージに関する質問、他システムとの連携に関する質問は回答がつきにくいと思います。
- 設定の詳細が分からないので、的外れの回答になる場合がある
- 例えば「プロセスビルダーが思った通り動かない」という質問があった場合、原因として「『有効化』を忘れた」「プロセスビルダーの開始条件を満たしていない」など単純なものもあれば、「他Apexトリガ、プロセスと干渉している」といった複雑なケースもあります。
このような場合に、自分の全ての設定を質問文の中に書くのは難しいので、結果として的外れの回答が返ってくる可能性があります。
- 例えば「プロセスビルダーが思った通り動かない」という質問があった場合、原因として「『有効化』を忘れた」「プロセスビルダーの開始条件を満たしていない」など単純なものもあれば、「他Apexトリガ、プロセスと干渉している」といった複雑なケースもあります。
Salesforceサポートへの質問のプラス点、マイナス点
プラス点
- 必ず何らかの回答が返ってくる
- ただし、前述のAppExchangeの特定パッケージに関する質問、他システムとの連携に関する質問は「サポート範囲外です」となってしまうかもしれません。
- 組織設定や実際の動作を見て回答してもらえる
- Salesforceサポートは、ログインアクセスを付与することで組織設定や実際の動作を確認することができます。
これにより、前述の「プロセスビルダーが思った通り動かない」という質問も、実際にプロセスビルダーやその他設定、また問題が発生している編集を実際に行っての動作確認を行うことができます。
- Salesforceサポートは、ログインアクセスを付与することで組織設定や実際の動作を確認することができます。
- 機能の問題が原因の場合、改善してもらえる(かも)
- サポート問い合わせの結果、機能の修正が必要となった場合は修正対応が行われます。
また、既知の問題としてKnown Issuesに掲載されることがあります。 - なお、後日「修正なし」と判定されることもあります。
- サポート問い合わせの結果、機能の修正が必要となった場合は修正対応が行われます。
マイナス点
- 平日営業時間以外は回答をもらえない
- 例えば、土日にサポートから連絡が来ることはプレミアサポートの緊急ケース以外ありません。
土日に確認したいことがある場合は、コミュニティへの質問も選択肢に入るでしょう。(運が良ければ答えてくれるかもしれません。)
- 例えば、土日にサポートから連絡が来ることはプレミアサポートの緊急ケース以外ありません。
- ユーザ事例については回答しない
- Salesforceサポートは他のユーザがSalesforceをどのように使っているかは回答しません。
ユーザ事例を確認したい場合はコミュニティの他、イベントへの参加を検討した方がよいでしょう。
- Salesforceサポートは他のユーザがSalesforceをどのように使っているかは回答しません。
具体的な質問例
コミュニティへの質問例としては、以下がよいと思います。
- 簡単な機能に関する質問
- 他の会社がオブジェクトや機能をどう使っているか?という質問
一方、以下のような不具合系の質問はSalesforceサポートの方がいいでしょう。
- バージョンアップ後から動作がおかしい
- リンクをクリックすると、白い画面に”〇〇Error”(例: Internal Server Error)が表示されます
おわりに
コミュニティとSalesforceサポート、どちらもプラス点、マイナス点があります。
それぞれが得意とする質問内容を知ることで、より早い問題解決につなげることができれば幸いです。
ちなみに、Salesforceサポートは、アンケートの高評価とコメントが大好きです。
「いい対応をしてもらえた」と思ったら、アンケートに高評価をつけてあげてください。