TL; DR
- Admin側の知識に自信があるがDev側は自信がない人は、Admin向けの問題は全問正解するつもりでいきましょう。
- コードを書く試験ではないですが、Trailheadの認定デベロッパー試験向けTrailmixは一通り進めることをおすすめします。
- Apex、Visualforce、Lightning Web Componentのコード記述、デプロイに自信がない人は、ある程度できるようになってから受験したほうがいいかも。
はじめに
Salesforce認定デベロッパー試験。
Salesforce開発者向けの試験であることはもちろんですが、認定テクニカルアーキテクトの前提資格となる認定システムアーキテクト、認定アプリケーションアーキテクト両方の取得必須資格でもあります。
認定テクニカルアーキテクトは、最近は #JourneyToCTA というハッシュタグとともに Salesforce Architect Group が活動を行っている他、Dreamforce2019では "Become a Salesforce Architect without a Developer Background" の発表も行われており、開発者だけでなくシステム管理者(Admin)も目指せる目標となっています。
認定テクニカルアーキテクトを取得したいシステム管理者(Admin)にとって認定デベロッパー試験は、開発者向け知識を問われる最初の関門でもあります。
2019年8月、私は力試しとして受験したSalesforce認定デベロッパー試験に合格しました。
I passed Salesforce Certified Platform Developer I exam!
— Mark Hammer (@Mar9Hammer) 2019年8月18日
Hooray! pic.twitter.com/25EGvEd14K
ちなみに私は以前の仕事で扱っていた関係上Salesforce管理者側(標準機能)の知識はありますが、開発者側の知識は主にTrailheadでの自習で身につけていました。
今回は仕事でSalesforce開発(Apex、Visualforce、Lightning [Aura/Web] Component)をしない人向けに、認定デベロッパー試験について書いていきます。
受験記
受験前の準備
当時は Trailhead で 600 バッジ程度取得しており、さらに Apex Specialist と Data Integration Specialist を取得しました。
ただ、その後は特にコードを書くことはありませんでした。
試験結果
受験結果で確認できる各分野の正答率、及び正答率から予想できる問題数、正答数が以下の表になります。
ちなみに受験ガイド(PDF)では問題数60問、合格点は65%(=39問正解)と記載されています。
分野 | 割合 | 正答率 | 問題数(予想) | 正答数(予想) |
---|---|---|---|---|
Salesforceの基本 | 10% | 100% | 6 | 6 |
データモデリング及び管理 | 12% | 71% | 7 | 5 |
ロジックとプロセスの自動化 | 46% | 44% | 29 | 13 |
ユーザインターフェース | 10% | 83% | 6 | 5 |
テスト | 12% | 85% | 7 | 6 |
デバッグツールとリリースツール | 10% | 80% | 5 | 4 |
合計 | 100% | 60 | 39 |
結果は、予想正答数=合格点という、本当にギリギリの合格でした。
受験時は本当に不合格を確信しており、分からなかった問題をメモして、次回の受験に備えていましたので、終了ボタンを押して「合格」が表示されたときは本当に驚きました。
各分野の内容
以下、認定デベロッパー受験ガイドを参考に記載しております。
認定デベロッパー出題分野と、私が考える傾向は以下の通りです。
分野 | 傾向 |
---|---|
Salesforceの基本 | システム管理者 / 開発者向け |
データモデリング及び管理 | システム管理者向け |
ロジックとプロセスの自動化 | システム管理者 / 開発者向け |
ユーザインターフェース | 開発者向け |
テスト | 開発者向け |
デバッグツールとリリースツール | 開発者向け |
以上の傾向、及び実際に受験した感想から、Adminが認定デベロッパーを取ろうとするのであれば以下がアドバイスとなります。
- Admin向けの問題は絶対落とさないようにしましょう。
- 具体的には「各種リレーション(主従関係、参照関係)の違い」「数式項目で扱う関数」「積み上げ集計項目」「ワークフロー/プロセスビルダー」などがあげられます。
- Dev向けの問題はTrailheadのモジュール、プロジェクトをやりながら手順、関数を覚えていきましょう。
- 実際にコーディングをする必要はないですが、開発者コンソールのメニュー名や各種関数名など、丸暗記では非常に厳しいです。
資格維持に向けて
Salesforce認定アドミニストレータ、認定Platformアプリケーションビルダー同様、認定デベロッパーもリリースごとに資格更新を行う必要があります。
以前はWebAssessorでの選択式試験でしたが、現在はTrailheadにて対象モジュールをクリアし、バッジを取得することで資格更新となります。
なお、Winter'19より認定デベロッパーにはコード記述を含むハンズオンが含まれるため、現在の認定デベロッパーは「コードを書けなくても合格はできるが、コードを書けないと維持ができない」資格になっています。
そして、現在最新(Winter'20)となる認定デベロッパー資格更新モジュールのハンズオンは、Lightning Web Componentを使ったカスタムタブの実装がテーマとなっています。
「現在システム管理者側だけど、テクニカルアーキテクトになるために認定デベロッパーを受験しようかな」とお考えの方には、ぜひ一度認定デベロッパー資格更新モジュールのハンズオンをやってみて、資格更新できそうか試していただくことをお勧めします。
ちなみに私は認定デベロッパー試験前に資格更新モジュールのハンズオンをやっており、「資格更新できそうだ」と思ったので受験した背景もあります。
ただそれまで Apex や Lightning Aura Component、つまり開発者コンソールで対応できたものから Lightning Web Component (現在開発者コンソールで開発不可) にテーマが変わったことは衝撃を受けました。
新しい言語、開発手法についていくことも、認定デベロッパー資格維持には必要となります。
おわりに
認定デベロッパー試験を受験してみて思ったのは、「かなり難しかった」という感想です。
これまでコード実装をそれほど行っていないAdminが認定デベロッパー試験に合格するには、「今まで知らなかった範囲をどれだけ勉強することができるか」これに尽きます。
ただ、「今まで知らなかった範囲をどれだけ勉強することができるか」はどの分野でもあるため、CTAを目指すAdminの方にはぜひ頑張っていただきたいです。