お題
最近、こんな質問をいただきました。
- キャンペーンから、キャンペーンメンバーであるリード、取引先責任者それぞれに対しメールテンプレートを使ってメールを送りたい。
- Lightning Experience から一括メールを送信する場合、Salesforce Classicと違ってリード、取引先責任者両方に送信できるメールテンプレートが使える、と聞いた。
- なので試してみたが、差し込み項目に
{{{Recipient.Company}}}
を使っても取引先責任者側の会社名を入れることができない。 - Salesforceサポートに聞いたら、「
{{{Recipient.Company}}}
では取引先責任者側の会社名を入れることができないので、取引先責任者はカスタム数式項目を差し込み項目にしてほしい。なおリードとの共用はできない。」と言われた。
この質問を聞いた私は、最初「確かにSalesforceサポートの言っていることは正しい」と伝えましたが、「リード、取引先責任者両方に送信できないならClassicメールテンプレートのままでいい。」と言われてしまいました。
なぜできないの?
デフォルトの場合、通常会社名はリードでは「会社名」(API参照名では"Company")、取引先責任者では「取引先名」(API参照名では"Account.Name")項目に入ります。
一方、Lightningメールテンプレートでの受信者側差し込み項目は、 {{{Recipient.[API参照名]}}}
の形で設定する必要があります。
つまり、リードの「会社名」、取引先責任者の「取引先名」は項目のAPI参照名が異なるため、1つの差し込み項目で両方対応することができないのです。*1
解決策を考える
一旦上記を伝えた後、何か解決策はないかな・・・と思いながら差し込み項目一覧を見ていると、リード、取引先責任者両方のマークを持つ項目もあることに気づきました。
そしてしばらく眺めた後、「同じ項目名、API参照名にすれば解決できるんじゃない」と思いました。
項目を作る
試しに、以下のような項目を作成しました。
- リード
- 項目名:メールテンプレート用取引先名
- API参照名:accountname
- 数式:
Company
- 取引先責任者
- 項目名:メールテンプレート用取引先名
- API参照名:accountname
- 数式:
Account.Name
Lightningメールテンプレートを作成する
上記項目を作成した後、再度Lightningテンプレートで差し込み項目選択画面を開くと、「メールテンプレート用取引先名」がリード、取引先責任者両方で使用できる形で選べるようになります。
これを選択し、 {{{Recipient.accountname__c}}}
をメールテンプレートに追加することで、リード、取引先責任者両方の会社名を同じ差し込み項目で差し込むことが可能になります。
注意事項
上記の通り、差し込み項目は {{{Recipient.[API参照名]}}}
の形となるため、リード、取引先責任者に同じAPI参照名の項目がある場合、意図しない値が入る場合があります。
例えば、
- リード
- 項目名:高校名
- API参照名:Field1
- 取引先責任者
- 項目名:社内評価
- API参照名:Field1
のような項目がある状態で、リードの「高校名」をメールテンプレートに使用する場合、{{{Recipient.Field1__c}}}
が差し込み項目となります。
このメールテンプレートを取引先責任者にも使用する場合、送信メールには入れたくない「社内評価」項目が入ってしまうこととなります。
おわりに
今回は、リード、取引先責任者両方の会社名を、カスタム数式項目を使って同じ差し込み項目で差し込む方法を考えました。
個人的にはこういった形でカスタム項目を使用するのは好みではないので、「このオブジェクトのレコードの場合はこの項目、…」みたいな設定が差し込み項目に対してもできればいいなと思いました。
この投稿が何かの役に立つことができれば幸いです。