Mark Hammer's Blog

SalesforceやTrailheadに関する情報を投稿しているブログです。

Data connector for Salesforce でカスタムロングテキストエリア項目の内容が切れる

はじめに

Salesforceのデータを Google スプレッドシートに表示、及び編集することが可能なData connector for Salesforce。 具体的な使用方法はこちらを参考にしていただければと思いますが、今回は某所で質問を受けた、Data connector for Salesforce でロングテキストエリア項目を出すための方法を書いていきます。

Salesforce レポートでのロングテキストエリア項目の制約

まず、今回の前提となる「Salesforce レポートでロングテキストエリア項目はどう表示されるか」書いていきます。

レポートにおけるロングテキストエリア項目の制限は、ヘルプには以下のように書かれています。

レポートには、リッチテキストエリアまたはロングテキストエリアの最初の 999 文字が表示されます。レポートをダウンロードしたら、すべての項目を使用できるようになります。

一方、カスタムロングテキストエリア項目の場合、レポートに表示される文字数は255文字まで*1となります。
この動作については、改善要望がIdeaExchangeに上がっていますが、Not Plannedとなっており、改善の見込みがありません。*2

Data connector for Salesforce でのロングテキストエリア項目の動作

Data connector for Salesforce では、レポートのデータをGoogle スプレッドシートに出力することができます。
しかし、Data connector for Salesforce による出力は、データローダのような「項目の値をそのまま出力する」ではなく「レポートの表示のまま出力する」動作のため、255文字以上は表示されません。

下の画像は、同じ文字列を「説明」項目とカスタムロングテキストエリア項目に設定し、レポートとData connector for Salesforce経由で出力した画面です。

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「説明」項目とカスタムロングテキストエリア項目のレポート表示

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「説明」項目とカスタムロングテキストエリア項目のスプレッドシート表示

今回出した改善案

相談内容は、「取引先にロングテキストエリア項目を作成しており、その内容をData connector for Salesforce でGoogle スプレッドシートに出力したいが、スプレッドシート上では途中で切れる」というものでした。

確認したところ、上記のカスタムロングテキストエリア項目の動作は変更の余地がないため、「取引先の標準ロングテキストエリア項目である『説明』項目を代用できないか」とお伝えしました。
先ほどのキャプチャの通り、「説明」項目は標準ロングテキストエリア項目のため、255文字制限ではなく999文字制限が適用され、表示数が増えます。

おわりに

今回は Data connector for Salesforce の動作に関する質問から、標準項目とカスタム項目でのロングテキストエリア項目の差を知ることができました。
この内容はヘルプに書いておいてもいいなと思ったのですが、探した範囲では先述したIdeaExchangeしか見つけることができませんでした。
この内容が皆様の参考になれば幸いです。

*1:253文字以上の場合は「...」を含めて255文字とする動作のため、全文字が表示されるのは項目値が252文字以下の場合となります。

*2:Salesforce公式ヘルプでは、Not Plannedは「短期または長期の実装計画に含まれず、将来の実装計画が変更されない限り、そのアイデアに対するそれ以上の更新はない」ものとなります。