はじめに
Salesforceには様々な機能がありますが、その機能有効化の方法もいくつかのパターンがあります。
- ユーザが有効/無効を変更できるもの
- 例:商品スケジュール(数量スケジュール・収益スケジュール)の有効化、無効化
- ユーザが有効化できるが、無効化できないもの
- Salesforce サポートに問い合わせて有効化するもの
- 例:個人取引先
このうち、Salesforce サポートに問い合わせて有効化するものは、Developer Edition 組織では有効化できません。
これは、Developer Edition 組織ではSalesforce サポートに問い合わせる手段がないためです。
参考:Salesforce エディション (help.salesforce.com)
メモ Developer Edition では、テクニカルサポートは提供されません。ただし、Lightning プラットフォーム開発者 Web サイト (developer.salesforce.com) に登録すると、開発者コミュニティメッセージボードで助言を求めることができます。 Developer Edition のドキュメントも提供されています。
余談
個人取引先を有効化する(日本語版) のヘルプでは、
個人取引先のリクエスト (Salesforce サポートへの問い合わせの起票)
個人取引先が利用できない場合は、ヘルプ&トレーニングから Salesforce サポートへの問い合わせを起票します。 Developer Edition を使用している場合は、Salesforce Success へ問い合わせることができます。
と記載されていますが、以前はDeveloper Edition組織からでもSalesforce サポートに問い合わせができた時期があると思わせる投稿 があるため、「Salesforce Success へ問い合わせる」とはこの頃の記述が更新されず残っているのでは、というのが個人的見解です。
ちなみに英語版の同じヘルプ では
Request Person Accounts (open a case with Salesforce Support)
If Person Accounts aren't available, open a case with Salesforce Support from Help & Training.
と、記載がない状況です。なので、日本語版からもそのうち消えるのではないでしょうか。
無料で個人取引先が有効な組織を作るには
前述の通り、Developer Edition 組織ではSalesforce サポートに問い合わせて有効化する類の機能が使用できません。
本来ライセンス費用が必要なEinstein Analytics、Salesforce CPQが(期限付きとはいえ)Developer Edition 組織でも利用可能なのに、個人取引先が利用できない状況について以下のTweetをしました。
Einstein Analyticsが有効なDeveloper Edition Org→あるhttps://t.co/zWW9jfsOGw
— Mark Hammer (@Mar9Hammer) 2019年6月21日
Salesforce CPQが有効なDeveloper Edition Org→あるhttps://t.co/zhuLPzDQbf
個人取引先が有効なDeveloper Edition Org→ない
なぜなのか
すると、Shun Kosaka氏より以下リプライをいただきました。
短期間でよければScratch組織で個人取引先を有効化する方法がありますね。
— Shun Kosaka (@shunkosa) 2019年6月22日
Scratch組織…、その発想はなかった。
ということで、試しに作ってみることにしました。
Scratch組織作成手順
Scratch組織作成方法については、以下Trailhead Projectを参考にしました。
以下、DevHubが有効な組織及びSalesforce DXコマンドが利用可能な環境がある前提の手順となります。
sfdx force:auth:web:login -d -a DevHub
でDevHubが有効な組織にログインします。以下、個人取引先が有効なScratch組織用設定ファイルを用意します。ここでは、
person-account-def.json
と名前をつけて保存しました。{ "orgName": "Sample", "edition": "Enterprise", "features": ["PersonAccounts"] }
sfdx force:org:create -f person-account-def.json
で、上記設定ファイルを使ったScratch組織を作成します。$ sfdx force:org:create -f person-account-def.json Successfully created scratch org: 00Dxxxxxxxxxxxxxxx, username: test-xxxxxxxxxxxx@example.com
sfdx force:org:open -u test-xxxxxxxxxxxx@example.com
でScratch組織にログインします。- 取引先作成画面で、個人取引先が作成可能であることを確認します。
おわりに
Scratch組織を使えば個人取引先が有効な組織を作れることは分かりましたが、そうはいっても簡単に作れるDeveloper Edition 組織でもSalesforce サポートに問い合わせて有効化する機能を使いたいという要望は多いと思います。
現在、Developer Edition からもサポートケースを起票したいというIdeaもIdeaExchangeに上がっていますので、機能有効化ケースだけでもよいので実現いただきたいところです。
Appendix
最後に、Scratch組織で個人取引先の有効化組織が作成可能なことをご教示いただいたShun Kosaka氏に感謝いたします。